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Readingmemo: Feb. 2026

Book ・ 2026年3月1日

精神の危機

著:ポール・ヴァレリー/出版:岩波書店

今、世界を覆う危機感、危機意識はどこから来ているんだろうか。特に西欧が共有するのは何なんだろうか。そんなことが気になり、手に取ったのがこの本だった。

実際に読み進めていくと、第一次世界大戦終戦後のヨーロッパ人が戦争の惨劇や野蛮さに直面し、その精神の不在、知的・文化的な没落に嘆く様子が読める。ヨーロッパ人は愚かにも(そして日本人も)もう一度、今度はより大きな規模の戦争を始め、さらには2020年にはロシアのウクライナへの全面侵攻を許すこととなっている。

「精神の危機」は幾度も忘れられ、そして幾度もその危機が叫ばれた。そして今度は生成AIが人間社会に影響を与えている。実存の揺らぎや、確信を行き来することでその精神を確信したいところだ。

ナショナリズムとは何か

著:中井遼/出版:中央公論新社

特に社会学の界隈にいると、ナショナリズムとは多くの場合、ネガティブな語として使われることが多い。しかし、私自身はサッカー日本代表(SAMURAI BLUE)が大好きで応援している。スペイン代表も好きなのでワールドカップはもちろん、International match weekはリーグ戦とは違った楽しみがあっていい。

では、ナショナリズムとは何で、本当に悪いことなのか。それがこの本を読むきっかけだった。本書でも議論されていたように、ナショナリズムと、パトリオティズムは意識的に区別できていなかった点であり、ここについてはもう少し区別しながら普段から議論される必要があると感じた。

いよいよワールドカップが迫っている。ぜひ一度、テンプレ的な批判をする前に、何について、そして何を問題視するのか整理しておきたい。

PRINCIPLES――人生と仕事の原則

著:レイ・ダリオ/出版:日本経済新聞出版

定期的に人生に迷うことがある。そしてプライドが高いというか、知性主義者な自分としては適当な本からはアドバイスを受けることができない。そこで、ビッグサイクルで知られる『世界秩序の変化に対処するための原則』の著者で、ブリッジウォーターの創設者、レイ・ダリオに一家言もらえないかと思い読み始めた。

残念ながら、当たり前のことが多すぎてとても参考になるわけではなかった。もっと言えば、EQというよりも、IQの高さでやってきたんだろうなという意思決定の方法に思えた。それは彼が金融屋だからなのかもしれない。とにかくロジック。計算して計算して進んでいく感じ。直感と気まぐれでここまでやってきた僕とはまったく違った。

一方で、意思決定の原則はもちろん、自分の生き方についての原則がこのように整理できているのはやはりレイ・ダリオ。自分ならどう記述するか。それを考えながら読むだけで十分に面白い。

独自性の社会――近代の構造転換

著:アンドレアス・レクヴィッツ/出版:岩波書店

『幻想の終わりに』で知られる気鋭のドイツ人社会学者、アンドレアス・レクヴィッツの主著。春休みの期間に読書会を開催した関係で再読した。

やはりこの本が指摘する「独自性の社会」というコンセプトは日本でも起きている現象で、この視点が面白い。ほとんど紋切りの大学生活を送っているのに(そしてそれでいいと思っていたのに)、いざ就活が始まると、いかに自分がspecialなのか、originalなのかを強調する。その後、就職すればまた紋切りに戻るが、転職を考えるとまた同じ行動を繰り返す。このように度々独自であることが求められる。そして独自であることが価値となっている。そんな現代の有様を「近代の構造転換」という形で、産業構造の変化などをあわせながら論じている。

分厚いし高い本だが、ぜひ一度は手にとって気になる章を読んでみて欲しい。

地球の歩き方 スペイン

著:地球の歩き方編集室/出版:Gakken

卒業旅行でスペインはサン・セバスティアンに行くことにした。インターネットはもちろん、ChatGPTに聞けばそれなりのアドバイスやtipsが得られる。しかし、どうもその実感のなさに不安を覚えていた。そんな時に手に取ったのが海外旅行の大定番、地球の歩き方である。

地球の歩き方は旅する予定がなくても面白い。どのエリアは注意が必要なのか、どういう歴史的な背景があるのか、そしておすすめルートなど実用的な情報も掲載されている。名実ともに海外旅行の必読書だろう。

個人的にはカードの使用可否がメモされているのがありがたかった。なるべく普段から現金を持ち歩きたくない自分には表記されているだけで旅の不安感が全く違う。

GWには香港に行きたい気分なので近々、香港編も読もうと思う。